◆◇◆このページは【隊商運営協会】様が主催する「caravan」参加キャラの設定ページです◆◇◆
時間の切れ端(ユーゼスside) |
砂漠を歩き続けて数日後。 ようやく目指していた町に到着し、体を休めるために隊商宿でぐっすりと一眠り。 目が覚めたら腹の虫のご機嫌を取りに食堂へと赴く。 外を見やると日はてっぺんよりも幾分か傾いてる。 昼食の時間帯はとっくに過ぎていたらしいが、空が赤く染まるには日の傾き具合はまだまだ足りない。 そんな中途半端な時間帯であるから、入口から覗く食堂は案の定がらんとしている。 人影はいくつかあった。 壁際の席で酒を飲みながら談笑する男たちや紙をテーブルに広げながら何やら相談している数人の男女、茶を傍らに本を読んでいる男…… 「すみません、お客さん! そこ通ります〜!」 澄んだ声に振り返る。エプロンを着けた少女が両手に食器を積んだお盆を乗せて立っていた。 「おっと、こいつぁ悪かったな」 うっかり塞いでいた入り口を開けてやる。 「ああそうだ。遅めの昼食といきてぇんだが、何かあるかい?」 「あり合わせの物でよければ、お出しできますよ」 「んじゃ、そいつを3人前頼むぜ」 「3人前ですか?」 少女が僅かに目を見張るが、すぐに何か勝手に納得したような顔をする。 大方、俺の体格を見て3人前食べても不思議じゃない、とでも思ったんだろう。 「あとから連れが2人来るんでな。そいつらの分もたのむゎ」 「あら、そうだったんですね。てっきりお客さん一人で全部食べてしまうのかと思ったわ。それじゃあすぐに作って来ますね。適当に座って待っててください」 俺の推測は大当たりだったらしい。 素直な少女はころころと笑いながら調理場へと消えた。 |