◆◇◆このページは【隊商運営協会】様が主催する「caravan」参加キャラの設定ページです◆◇◆
リディアン的死考 |
家の近くに病弱な兄さんが家族と一緒に住んでいた。 名前は忘れてしまったが、本をたくさん読んだり、窓越しに人と話すのが好きな兄さんだった。 オレも沢山話をした。 兄さんの話はいつも面白かった。 ある日、兄さんは苦しそうに咳をし続け、ついには血を吐いた。 兄さんの家族は慌てて医者を呼んだが、医者が到着する前に兄さんは動かなくなった。 小さな手で兄さんの頬をぺちぺちと叩いても、一向に起きる気配はない。 温かく柔らかかった頬は夜の砂漠の砂のように冷たかった。 「彼は死んだんだよ」って、誰か大人が言った。 もう、動かない。もう、喋らない。もう、遊べない。 ……つまらない。 兄さんの教えてくれる話しが好きだった。笑う顔が好きだった。撫でてくれる手が好きだった。 寝顔は嫌いじゃないけれど、ずっと見続けるほど面白いものじゃない。 「死」とは、こんなにも人をつまらないものに変えてしまうものなのか…… *************************************** リディアンの「死」についての概念。幼少期、かな。 死んだ人間はつまらない=つまらないものに興味はない=死人に興味はない |